あなたのLinuxは大丈夫? End Of Life を調べてみよう
Ubuntu21.04リリース!・・・の裏でこの季節が来てしまった
先日 別の方のブログ記事 で、Ubuntu 21.04がリリースについて触れられていました。
筆者は別の人間なのでまだ触っていませんが、それと同時に気になることが山のように出てきまして。。。
それは何かと言いますと・・・
Ubuntu16.04 の EOL 到来!!!
あ~、そういえば、あれもこれもあっちのサーバーも、みんなUbuntu16.04だったなぁ~と(汗)
これがいくつもサーバーがあったりすると、気が重くなると言いますか、
そうなる前に順序だててバージョンアップしておけよ!!
と言われてしまうとそれまでなのですが、中には複数人で管理しているサーバーだったり、そもそも私が管理しているサーバーでもなかったり、、、(ってなんだかこうして書いてるだけでも途方のなさががが。
気を取り直して、今日は気にしなくちゃいけない LinuxディストリビューションのEOL について、まとめていこうと思います。
ところでEOLってそもそもなに?
まずはおさらい(?)から
昨年1月には『Windows7が使えなくなるよ~』などというのが話題になりましたが、それと同様にLinuxを使っている場合でもそのような『サポート期間』が存在するか?というお話ですね。
Linuxディストリビューションも、基本的にはサポート期間は存在する!
が正解になるかと思いますが、『基本的には』と書いたのは、実はないのもあるという話ですね。それについては後程紹介しようと思います。
『EOL』というのは、End Of Life の略で、つまりはソフトウェアの寿命と訳すことができそうです。およそEOLが設定されてるLinuxディストリビューションが主流で、UbuntuやFedora、Debianなどを使用する場合は、その辺りを意識して運用する必要がありますね。
LinuxディストリビューションのEOLってどんな具合?
冒頭でUbuntu16.04について記載しましたが、「そもそもUbuntuって何年サポートするんでしたっけ?」と思った方も多いかもしれませんね。まずはサマリーとして、各ディストリビューションの現行バージョン、及びそのEOLについて列挙しようと思います。
ディストリビューション | End Of Life | サポート期間 |
---|---|---|
Ubuntu 21.04 | ~ 2022/1 | 9か月 |
Ubuntu 20.04 LTS | ~ 2025/4 | 5年 |
Debian 10.0 | ~ 2022/7 頃? | 3年程度 |
Fedora 34 | ~ 2022/5 頃? | 1年1か月程度 |
openSUSE Leap 15.2 | ~ 2021/11 頃? | 1年半程度 |
「頃?」と記載したディストリビューションについては、まだ確定していない EOL となります。これらは次以降のバージョンがリリースされた後に EOL が確定しますので、上記はおよその目安として、参考にしていただけたらと思います。
それでは各ディストリビューションについて、詳しく見ていきましょう。
各LinuxディストリビューションのEOL
Ubuntu
Ubuntu には、通常版と、LTS版があります。
- LTS版: Long Term Supportの略。2年毎にリリースされ、サポート期間は5年。
- 通常版: 半年毎にリリースされ、サポート期間は9か月。
サポート期間が5年とか9か月と言われても、そもそもリリース日がわからない!・・・ということがないのがUbuntuの良いところかなと思いまして、例えば、、
Ubuntu 21.04 → 2021/04 にリリース
Ubuntu 20.04 LTS → 2020/04 にリリース
という具合に、 バージョン名がそのままリリース年月になっています。
なお筆者などは、NVIDIAドライバ+CUDA環境を仕事で使うケースが多いため、どうしてもLTS版を使ってしまいますね。いざLTS版をサーバーへインストールして、「よし、これで5年は戦える!」などとタカをくくっていると、あっという間に5年が経ってしまうので注意が必要です(汗)
Debian
Ubuntu LTSの次に割と長く安定して使えるのが、Debianかなと思います。
Debianのメジャーバージョンがおよそ2年毎にアップデートされ、新しいバージョンがリリースされてから1年後に前のバージョンのEOLを迎える仕組みです。よって、 リリースから3年程度の安定版が使える という点は選択肢として魅力的かもしれませんね。
開発者も非常に多く、サポート対象のCPUアーキテクチャも豊富なLinuxディストリビューションですので、用途も広く使えるディストリビューションであると思います。
Fedora
Fedora34 は 2021/4/27 にリリースされたばかりのようですね。
Fedoraはおよそ半年ごとにリリースされ、リリースの1か月後に2つ前のバージョンがEOLを迎える ため、およそ1年1か月がサポート期間となる仕組みです。CentOSなどと比較すると割と新しいパッケージがインストールされる印象がありますが、リリースが半年単位というとUbuntuと同じのため、そこまで頻繁に新しいものがという印象もないかもしれません。
ですが、Fedoraにはローリングリリース版があるようですね。
(※ローリングリリースの詳細については後述します)
Releases/Rawhide - Fedora Project Wiki
あまり表立って展開はしていないようですが、より最新のFedoraを使ってみたいという場合は試してみるのもいいかもしれません。
openSUSE
openSUSEには2種類のリリース体系が存在します。
- Leap: およそ1年毎にリリース。新バージョンがリリースされ、半年後に前のバージョンがEOLとなる
- Tumbleweed: ローリングリリース版。そもそもバージョンという単位が存在しない
通常はLeapを使うケースが多いようです。上記の理由で、サポート期間はおよそ1年半となりますね。
安定してopenSUSEを使いたいという場合はLeapでもいいのですが、常に最新のソフトウェアを使いたい or バージョンアップ毎にインストール作業をさぼりたいという場合は、ローリングリリース版のTumbleweedという選択肢が存在します。
ところで、今流行り(?)のローリングリリースとはどのようなものなのでしょうか?
ローリングリリースって?
ローリングリリースの代表格=Arch Linux
ローリングリリースと聞いて、まず思いつくのは Arch Linux という方も多い気がします。
特に(どういう理由か)若い方に人気のディストリビューションのようです。Wikiページが秀逸で、情報量も豊富ですよね!(噂では他のディストリビューション利用者もArch LinuxのWikiを参考にする人が多いとか。。
ローリングリリースとは?
ローリングリリースというのは、特にバージョンリリースというものをせず、 一度インストールすると常に最新のソフトウェアにアップロードすることができるというリリース体系 のことです。新しいバージョンのリリースというものを意識する必要がないという点では、魅力的なリリース体系と言えるかもしれません。
もちろんその反面、常に最新があるがゆえ、やや不安定になりがちという欠点も残念ながらあります。ただソフトウェアの更新というのは当たり前のように発生するものであるし、そういうものだと割り切って自分の作業環境を構築するのも一つの手ではないでしょうか。
で、結局最強のバージョンリリース体系って何だろう?
やはりローリングリリースが最強?
ソフトウェア開発がアジャイル開発で行われていて、さらに全てコンテナの中に閉じられていて・・・
というのが当たり前であれば、Linuxディストリビューションが何であっても動くと思います。それはローリングリリースであってもそうでなくても、特に関係ないはずですよね。
であれば、バージョンリリースに左右されることのない、ローリングリリースという選択肢が最良かもしれません。
が、世の中なかなかそううまくはいかないもの。まだどうしても、Ubuntu LTSといったサポート期間の長いディストリビューションを選んでしまいがちかもしれません。 そうすると問題になってくるのが、バージョンアップ時。Ubuntu16.04がEOLを迎えた今、貴方はすぐに対応することができるでしょうか?
(ええ、私は最初に述べた通りできていません!orz)
理想は常に全てのソフトウェアを最新にして、その上ですべての作業ができること。
そんな環境を手にする工夫を、考えてみませんか?
余談:そういえば、VineLinuxって終わっちゃうの!??
この記事と関連性があるのかないのか、、、
長年日本初のLinuxディストリビューションとして開発が進められていた Vine Linux ですが、終わってしまうようですね。
「VineSeed を元にローリングリリースとする意見もありますが」と記載がありますけど、今後どうなっていくのでしょう?
私もお世話になった一人して、本当にお疲れさまでした!!