Audacityのノイズ除去(Noise Reduction)は、はじめにノイズの範囲を指定してノイズプロファイルを取得する(ステップ1)、そしてノイズを除去したい範囲を選択してフィルタリングする(ステップ2)という2段階の手順になっています。Audacityについてはこちら(Audacityを使ってみました)
ノイズの除去
【エフェクト】➡【ノイズの除去】
ステップ1:ノイズプロファイルの取得
①ノイズ範囲を選択 ➡ ②【エフェクト】 ➡ ③【ノイズの除去】 ➡ ④【ノイズプロファイルの取得】
まず波形からノイズの範囲を選択して、【エフェクト】➞【ノイズの除去】と選択し、ステップ1のノイズプロファイルを取得します。
ステップ2:フィルタリング
波形を選択 ➡ ②【エフェクト】➡ ③【ノイズの除去】➡ ⑤【OK】
【ノイズプロファイルの取得】で、一旦メニューが閉じるので、今度はノイズを除去したい範囲を選択して、同様に【エフェクト】➞【ノイズの除去】を選択し、ステップ2の【OK】
でノイズを除去します。次の波形表示は、全てを選択した例です。パラメータはとりあえずデフォルトのままやってみました。
パラメータ
ステップ2のパラメータには次の3種類があります。
パラメータ | 範囲 | デフォルト | 備考 |
---|---|---|---|
ノイズの除去 (dB) | 0 ~ 48 | 12 | ノイズを低減する減衰量の最大 |
感度 | 0 ~ 24 | 6 | ノイズプロファイルと、このパラメータから各帯域のノイズ除去の閾値を決めているらしい(大きいと原音も除去されやすい) |
周波数平滑化 (バンド) | 0 ~ 12 | 3 | ノイズを除去した周波数帯域に隣接する境界をなめらかにする |
出力の選択
ノイズを除去する場合は【現象】を選びます(現象は翻訳の間違い)。
ノイズ | 機能 |
---|---|
現象 | 選択範囲からノイズを低減する。日本語化前は「Reduce」なので、現象ではなく減少 |
残存 | 除去されるノイズが残ります。ここに音声が含まれる場合は、パラメータを弱めに調整 |
ノイズレベル大で試してみる
音声がノイズに埋もれるようなS/N比が悪い信号で試してみます。
デフォルトのパラメータ:ノイズの除去=12dB(感度=6, 周波数平滑化=3)
デフォルトの設定でフィルタリングをした波形です。個人的には、効果は中々なものと思います。
パラメータを大きく:ノイズの除去=24dB(感度=6, 周波数平滑化=3)
ノイズ除去=12dBで残ったノイズも、24dBに上げるとさらに抑圧されています。この音源はホワイトノイズ+音声で録音したものです。ノイズ除去量を上げると少し音声がこもって聞こえますが、ここまでS/Nが悪い音源ながら音声を聞き取る意味では効果は充分あります。
除去されるノイズ【残存】
このようにノイズレベルが大きい時には、ノイズの除去(パラメータ)をある程度上げないとノイズが残ります。こだわるとノイズの種類によって、それぞれのパラメータの使い分けが必要になりそうです。その場合は、ステップ2の【残存】という機能が中々興味を引く機能で、消されるノイズの信号を確認できます。ここに音声が含まれると、元の音声からノイズと一緒に音声も抑圧されていることになります。
参考
Audacity Manual Contents: Effects - Noise Reduction
https://manual.audacityteam.org/man/noise_reduction.html