Smile Engineering Blog

ジェイエスピーからTipsや技術特集、プロジェクト物語を発信します

思考のサルベージ(その11)

各工程で心がけたい思想を掘り起こしてみる

前回は、開発メンバの「増員」をテーマとして、増員メンバを迎える立場で考えてみました。せっかくなので、増員メンバとして、新規にプロジェクト参入する立場についても考えてみます。

状況把握

  • プロジェクトへの新規参加。
  • プロジェクト内の他の担当機能からの移動。

前回も言いましたが、増員メンバとなるケースはこれくらいですかね。 後者は、まだいいですね。プロジェクト全体のスケジュール感や、共通機能については共有できているはずです。問題は、前者の場合ですね。ともかく、プロジェクトに参加したら、まず初めに状況を把握しましょう。

  • プロジェクト全体のリリーススケジュール
  • 担当モジュールの進捗状況。

この2つは確実にそして、真っ先に確認・把握しましょう。新規参入の場合、開発製品の学習、担当機能の学習期間は必須です。進捗もオンスケでスケジュールにも余裕がある状況と、遅延が発生して進捗が芳しくない状況とでは、学習期間も学習内容も、既存メンバの対応も全く異なったものになります。

積極性

学習期間の初めには、たいてい既存メンバからのレクチャがあります。前述した事と重なりますが、進捗状況、あるいは既存メンバのスキルによってはレクチャによる情報量も変わってきます。レクチャで得られる情報のみを「今、知っておくべき情報」と思わないでください。自分自身が知りたいこと、不明点等、聞きたいことがあれば積極的に質問しましょう。積極的な姿勢は、既存メンバが新規メンバを信頼できるか否かを判断する重要なポイントになります。

信頼関係

言葉は悪いですが、既存メンバは新規メンバをいきなり信頼したりしません。同様に新規メンバも既存メンバを機能担当の先輩として無条件に信頼しないほうが良いです。仕事の場じゃなくても初見の人にいきなり全幅の信頼を置いたりしないですよね。大切なことは学習期間を含めあらゆる工程は、信頼しあえる関係を構築していく為のプロセスであると意識することです。 積極的に発信された疑問や質問に、既存メンバがに真摯に対応してくれれば、既存メンバに信頼感を持てるでしょう。

何か掘り起こせた?

  • 積極的な姿勢が重要。
  • 信頼関係を構築することが大切

いきなりは無理でしょうが、既存メンバと同等のスキルを持つことを目標にしたいですね。決して「手足」で終わらないようにしましょう。

おしまい

それでも、既存メンバが信頼に値しない人たちだったどうすればいいんですかね。主担当の座を乗っ取っちゃうくらいの意気込みを持ちましょう。

Linux Mint 20 Ulyana 開発環境用初期設定

6月27日に「Linux Mint」の最新メジャーリリースとなるバージョン20(開発コード「Ulyana」)がリリースされました。
Linux Mint」はUbuntuベースのデスクトップ型Linuxディストリビューションのひとつです。
当記事では、64bitのWindows上にVMware Workstation Playerをインストールし、VMware上に「Linux Mint 20 Mate」を初期インストールした上、プログラム開発に適したLinux Mintの初期設定の例を紹介します。
VMware上に「Linux Mint 20 Mate」を初期インストールする手順は、こちらに掲載していますのでご覧ください。
Linux Mint」の仮想環境で当記事の設定が完了すると、開発環境のOSレベルでの基礎が完成します。
この仮想環境をマスターとし、各開発プロジェクトに応じたランタイムやIDEなどをインストールしていくことになります。

目次

  1. なぜ仮想環境(VMware)でプログラム開発環境を構築するのか
  2. OSの最新化
  3. ファイルエクスプローラーの一覧表示・隠しファイル表示をデフォルトに
  4. ドラッグ中にウィンドウ内を表示しない
  5. ホームディレクトリ配下のディレクトリ名を英字化
  6. FireFox起動時は空白ページを表示
  7. FireFox既定の検索エンジンをGoogleに変更
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Audacityでノイズ除去

Audacityのノイズ除去(Noise Reduction)は、はじめにノイズの範囲を指定してノイズプロファイルを取得する(ステップ1)、そしてノイズを除去したい範囲を選択してフィルタリングする(ステップ2)という2段階の手順になっています。Audacityについてはこちら(Audacityを使ってみました

  • ノイズの除去
    • ステップ1:ノイズプロファイルの取得
    • ステップ2:フィルタリング
      • パラメータ
      • 出力の選択
  • ノイズレベル大で試してみる
    • デフォルトのパラメータ:ノイズの除去=12dB(感度=6, 周波数平滑化=3)
    • パラメータを大きく:ノイズの除去=24dB(感度=6, 周波数平滑化=3)
    • 除去されるノイズ【残存】
  • 参考
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The Continuing Story of Error Correction Code 4

誤り検出と誤り訂正

誤りを検出できる、そして誤りを訂正できる、というのはどういうことでしょうか? 今回はこれについて考えてみましょう。

The Continuing Story of Error Correction Code 2 - Smile Engineering Blogの最初に書きましたが、言葉の定義を書いておきます。

  • 送信語
    送信者が送信したいデータのビット列。

  • 符号器
    送信語に誤り検出・訂正のための加工を施す装置。

  • 符号語
    符号器により送信語に誤り検出・訂正のための加工を施したビット列。

  • 通信路
    送信側から受信側へ符号語を送る経路。符号語は通信路を通過する際に誤りが加わる可能性がある。

  • 受信語 通信路を通って受信した符号語のビット列。
    通信路でエラーが発生していなければ符号語と同一となる。

符号語のビット数が4ビットであれば16個の符号語を作ることができます。
この16個の符号語に送信語を割り当てる訳ですが、送信語が割り当てられた符号語どうしがとあるハミング距離となるように割り当てていきます。
この、とあるハミング距離を「最低ハミング距離」とします。
なぜ「最低」とするかというとすべての符号語間が同じハミング距離を保つようにできない場合があるためです。
送信語を最低ハミング距離を保って符号語に割り当てたのですから割り当てられる送信語は符号語の数(4ビットなら16個)よりも少なくなります。
そして、送信語が割り当てられていない符号語が存在することになります。
通信路で何も誤りが発生しなければ、送信語が割り当てられていない符号語が受信語になることはありません。

誤りを検出できる、ということ

受信語として送信語が割り当てられていない符号語だったら、それは誤りがあるということです。
各符号語間は最低ハミング距離があるのですから、1以上かつ最低ハミング距離未満のビット数の誤りが発生している、とわかります。

誤りを訂正できる、ということ

訂正可能な誤りのビット数をtとします。 符号語からハミング距離tの領域が、他の符号語からハミング距離tの領域と重なっていなければ訂正可能です。

カルノー図で確認してみよう

最小ハミング距離が1

最小ハミング距離が1、ということは4ビットのうち1ビット異なると別の符号語になる、ということです。
だから、ハミング距離が1で送信語を符号語に割り振っていくと全ての符号語が送信語に割り当てられる、ということですね。
以下にカルノー図を示します。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000に着目してみるとハミング距離が1となる上下左右はすべて別の符号語になっています。
更に、その別の符号語の上下左右も別の符号語ですね。
1ビットでも間違えれば別の符号語になってしまうので最小ハミング距離が1では

  • 誤り検出はできない
  • 誤り訂正はできない

となります。 着目した符号語
別の符号語

b_{1}b_{0}
 00  01  11  10  00  01  11  10
b_{3}b_{2}  00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010
 00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010

最小ハミング距離が2

次は最小ハミング符号が2の場合。
最小ハミング符号を2として送信語を符号語に割り当てるとカルノー図上ではきれいな市松模様になります。
ここでも b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000に着目してみます。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000でハミング距離が1になるのは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0001 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0010 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0100 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1000の4種類になります。
この4つは全て別の符号語になっていませんよね。
このため、1ビット誤ったことは認識することができます。
しかし、2ビット誤ると別の符号語になってしまうので誤り検出は1ビットまでとなります。

では、誤り訂正はできるでしょうか?
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が1ビット誤って受信語が b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0001になってしまった場合を考えてみます。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0001という受信語は符号語 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が1ビット誤った受信語ですが b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1001 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101、そして b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0011が1ビット誤った受信語でもあります。
カルノー図の b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0001の上下左右を見てくださいね。
誤った受信語 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0001 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1001 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101、そして b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0011のどれに訂正したらよいのかわからないですね。
このため最小ハミング距離が2の場合

  • 誤り検出は1ビットまで
  • 誤り訂正はできない

となります。 パリティ符号がこれに該当します。

着目した符号語
着目した符号語からハミング距離が1
別の符号語

b_{1}b_{0}
 00  01  11  10  00  01  11  10
b_{3}b_{2}  00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010
 00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010

最小ハミング距離が3

次、最小ハミング距離が3の場合です。
符号語としてまずは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000を割り当てて、ここからハミング距離が3となるものを選びます。
ここでは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101を選びました。
もう一つ割り当てられないかな、と考えてみても b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101からハミング距離が3となる符号語はありません。
4ビットの符号語でハミング距離を3とすると、もう符号語は二つしか割り当てられないんですね。

では b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000に着目して誤り検出から考えていきましょう。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000で1ビット誤ったハミング距離が1の受信語(カルノー図の黄色のデータ)は当然別符号語にはなりません。
2ビット誤ったハミング距離が2の受信語(カルノー図のピンクのデータ)も別の符号語にはなりませんね。
最小ハミング距離を3とすると2ビットまでの誤り検出は可能となります。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が3ビット誤った b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1011 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1110 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0111も検出は可能ですが b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101に誤った場合、別の符号語になってしまうので誤り検出は2ビットまで、となります。

誤り訂正についても見てみましょう。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が1ビット誤った上下左右のカルノー図の黄色のデータを見てください。
これら四つの受信語の更に上下左右を確認すると別の符号語が無いことがわかります。
もし、受信語がこの四つであれば、それは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が1ビット誤ったものと言えます。
とすれば、これら四つの受信語の何れかだった場合は無条件で b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000の符号語に置き換えることができます。
1ビットの誤りは訂正できる、ということですね。

では2ビット誤った、カルノー図のピンクの受信語の上下左右を確認してみましょう。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1100、そして b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1001は別の符号語 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101の1ビット誤り、ハミング距離が1になっています。
これでは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が2ビット誤ったのか、それとも b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101が1ビット誤ったのか判別がつきません。
ここから、最小ハミング距離が3の場合は1ビットまでの誤り訂正が可能、と言えそうです。

ということで、最小ハミング距離が3の場合

  • 誤り検出は2ビットまで
  • 誤り訂正は1ビットまで

となります。
ハミング符号がこれに該当します。

着目した符号語
着目した符号語からハミング距離が1
着目した符号語からハミング距離が2
別のコード

b_{1}b_{0}
 00  01  11  10  00  01  11  10
b_{3}b_{2}  00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010
 00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010

最小ハミング距離が4、に行く前に・・・

前項で最小ハミング距離を3にすれば

  • 誤り検出は2ビットまで
  • 誤り訂正は1ビットまで

となる、としました。
なるほどなるほど、1ビットの誤りが訂正できて2ビット誤っていたらそれが検出できるんだな・・・
そう思いません?

 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101を受け取ったとしましょう。
1ビットの誤り訂正ができるので訂正します。
 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101の上下左右を見ると下に b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101という符号語があります。
これが1ビット誤ったんだな、ということで b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101に訂正しました。
残念、実は元の符号語は b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000で2ビット誤って b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101になっていたので誤訂正です。

いやいや、2ビットの誤り検出ができるんだから1ビット誤っていたら訂正、2ビット誤っていたら訂正せずに誤りとすれば?

 b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0101というデータ、1ビット誤りか、2ビット誤りか判別できるでしょうか?
前項の誤り訂正のところで
「これでは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000が2ビット誤ったのか、それとも b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1101が1ビット誤ったのか判別がつきません。 」
としているとおり、判別はできません。

何がおかしいのか?

でも、確かに2ビットの誤りは検出できて、1ビットの誤りまでは訂正できるはずです。

実は2ビットまでの誤り検出を確実に行いたい場合、訂正を行ってはいけません。
誤りは1ビットか2ビットどちらかは分からないが誤っている、ということが検出できる、となります。

そして、1ビットの訂正を行う場合、誤訂正を行う可能性がある、となります。
確実に誤りを検出するか、誤訂正には目をつぶって1ビットの誤り訂正をするか、の2択です。

もし、送信側に誤りを通知して再送処理を行えるようなシステムなら2ビットまでの誤り検出を確実にしてくれたほうがいいですよね。
そして、誤りがランダムに発生するような状況で、誤る確率がとても低く4ビット程度の中に2ビットの誤りが発生する確率は恐ろしく低いような場合は1ビットの訂正をして、ごく稀なご訂正には目をつぶる、としたほうが良い場合もあると思います。
この辺はどのようなシステムの中で使用するか、ということに依存してきますが最小ハミング距離が3であるハミング符号を使う場合はこれらを頭に入れておく必要があります。

このような状況となる原因は異なる符号語間で1ビット誤りの領域と2ビット誤りの領域が被っていることにあります。
これを解決するためには1ビット誤りの領域と2ビット誤りの領域が被らないようにして、被るのは2ビット誤りの領域同志のみとすることです。
簡単に言えば最小ハミング距離を4にする、ということです。

最小ハミング距離が4

最後は満を持して登場(?)の最小ハミング距離が4の場合です。
符号語として b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 0000を割り当てると、ハミング距離が4になるのは b_{3}b_{2}b_{1}b_{0} = 1111しかありません。
二つのコードの間でハミング距離が1の領域とハミング距離が2の領域が被っている個所はありません。
よって、最小ハミング距離が3の場合

  • 誤り検出は2ビットまで
  • 誤り訂正は1ビットまで

となります。
結論としては最小ハミング符号が3の場合と同じですが、こちらは上記二つが同時に実現できます。

拡張ハミング符号と呼ばれるSECDED(single error correction, double error detection)がこれに該当します。

着目したコード
着目したコードからハミング距離が1
着目したコードからハミング距離が2
別のコード

b_{1}b_{0}
 00  01  11  10  00  01  11  10
b_{3}b_{2}  00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010
 00  0000  0001  0011  0010  0000  0001  0011  0010
 01  0100  0101  0111  0110  0100  0101  0111  0110
 11  1100  1101  1111  1110  1100  1101  1111  1110
 10  1000  1001  1011  1010  1000  1001  1011  1010

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The Continuing Story of Error Correction Code - Smile Engineering Blog

The Continuing Story of Error Correction Code 2 - Smile Engineering Blog

The Continuing Story of Error Correction Code 3 - Smile Engineering Blog

思考のサルベージ(その10)

各工程で心がけたい思想を掘り起こしてみる

開発メンバの「増員」について考えてみましょう。今回は、プロジェクトの既存メンバとして増員メンバを迎える場合について考えてみましょう。

何故増員?

はっきり言って、既存のメンバでうまいこと回せればメンバの増員は必要ないですね。年に1度、新入社員が後進育成の意味合いで増員されることはありますが、この場合はじっくり育ててあげればよいでしょう。 メンバが増員されるということは、

  • 作業量を見積もったら、既存のメンバの人数に対して作業量が多すぎ。
  • 進捗が芳しくなく、今のままでは開発スケジュールが破綻してしまう。

前者の場合は、作業量を見積もった上での「計画的増員」と言えます。後者はある意味緊急事態に対応するための「緊急増員」ですね。いずれにしても作業負荷が高くなる、あるいはすでに高い状態で「増員」となることが多いです。

増員メンバを迎えたら

増員メンバが担当する機能の有識者であればこんなありがたいことはないですね。ただしそんなことはめったにありません。普通は、それなりに経験はあってもプロジェクトへの新規参入であることが多いです。

戦力化へのサポート

ともかく、増員メンバを迎えたらなるべく早く戦力になってもらうよう、既存メンバとして様々なサポートをしなければなりません。

  • 開発製品の概要を知ってもらう。
  • 担当機能について知ってもらう。

大きな視点で大まかに知ってもらい、レンジを小さくしながら理解度を深めてもらうのが良いのかと思いますね。担当機能が巨大だと、一度にすべてを理解してもらうのはよほどのスーパーマンじゃないと無理な話です。担当機能を知ってもらい、さらに機能の中のサブ機能の理解を深めてもらう。それを繰り返し、守備範囲を少しずつ広げてもらえれば、頼りになる「相棒」となってくれるはずです。 仕様書の格納場所、コードの格納場所を教えて、「この改造案件よろしく」では乱暴すぎますね。丸投げでは大抵うまくいきませんし、信頼関係も築くことができません。

何か掘り起こせた?

  • 高負荷だからこそメンバが増員される。
  • だからこそ、既存メンバによる増員メンバへのサポートは計画的に。

増員メンバへのサポートの目的は既存メンバの「手足」を増やすことではなく、機能担当者全体の「能力をたけ高める」ことであると認識することが大切ですね。

おしまい

特に高負荷な状態だと、サポートするのも難しい局面はありますよね。でもそこは踏ん張りどころかと。実際、丸投げされた経験も少なからずありますが、結構心折れるんですよね。